海外ドラマ『Blue BloodsブルーブラッドNYPD家族の絆』感想/高貴な警察一家の物語

■海外ドラマ
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作品紹介

一家代々がニューヨーク市警察(NYPD)に警察官として奉職しているアイルランド系アメリカ人のレーガン家の人々を軸に警察官の活動や、警察内部の腐敗などを描いている。小さな事件から連続殺人など大きな事件まで、ニューヨークで起こる犯罪に、警察一家の「レーガン」が、それぞれの立場で事件に立ち向かっていくクライム・サスペンスの要素もありながら、一家の人間として、また兄弟姉妹、父、祖父、それぞれの葛藤も描いた家族の物語でもある。(2010-2025年)

制作・総指揮レナード・ゴールドバーグ/ブライアン・バーンズ
制作プロデューサーフレデリック・キング・ケラー/デビッド・バレット
出演ドニー・ウォールバーグ/ブリジット・モイナハン/ウィル・エステス/レン・キャリオー/
トム・セレック/ジェニファー・エスポジート/サミ・ゲイル/エイミー・カールソン/
マリサ・ラミレス/ヴァネッサ・レイ

出演者

「レーガン家」を率いる長フランクにトム・セレック。NYPD本部長。家族や周囲に適切に助言し、彼らの仕事を手助けすることが多い。
ダニーはレーガン家の長男で一級刑事。血気盛んで猪突猛進。ドニー・ウォールバーグが演じています。
エレンはレーガン家の長女。警官の兄弟の中で女性一人。ニューヨーク検事局の検事補。後に昇進。ブリジット・モイナハンが演じています。
ジョーはレーガン家の次男。(写真のみ)刑事だったが、NYPD内部の秘密結社「青の騎士団」の内偵が原因で同じ警察官に殺されてしまう。家族に大きな影を落とす。
三男のジェイミーを演じるのはウィル・エステス。ハーバードの法学部に進学し弁護士になるつもりがジョーの死を受け、警察官に。
ヘンリーはフランクの父。1980年代に警視総監を務めた。今は隠居の身。孫達に捜査や警察の仕事について、よくアドバイスをしている。いいおじいさんでもあるが、頑固でもある。レン・キャリオーが演じています。

この他にも、途中で事故で死んでしまうダニーの妻リンダや、二人の息子たち、エレンの娘ニッキー、フランクの3人の片腕たち、エレンの調査員や上司、次々に代わる市長たちなど、登場人物多し。

感想

「Blue Bloodブルーブラッド」とは、直訳すると「青い血」。これは「貴族、名門の血筋、高貴な人」のたとえとして使われ、このドラマの場合は「名家の生まれ」を意味します。
「レーガン家」は三代にわたってニューヨークの警察官をつとめていて、警察官としての伝統と誇りを持っています。
時には敬われ、時には疎まれ、標的になることもあるけれど、よくも悪くもそれぞれの立場で「レーガン」と向き合っている姿が印象的です。

次男のジョーの死が一家に影を落とす

実際の出演はないものの、次男のジョーは捜査中の事故で殉職していて、それが一家に暗い影を落としている。しかも、徐々に、それが単なる事故ではなく汚職警官への潜入捜査がバレて殺されたことを知る。
シーズン1からシーズン2の始めでジョーの事件は解決するのですが、14シーズンの全てにジョーを偲ぶ家族の思い出が語られたりして、常にこのドラマの欠かせないキャストになってます。
ドラマを観ているワタシも、写真でしか知らないジョーなのだけれど、ジョーとの思い出話が語られるときは、しんみりしてしまう。この一家のドラマには欠かせない存在で、それほど家族の絆が強いという現れの一つなのだろうと思います。

レーガン家の兄弟たち

ダニー(長男)

レーガン家はフランクとその父ヘンリー、長男のダニー、長女のエレン、三男のジェイミーがメイン。
レーガン家の人達は基本的に、みんな正義感が強い。ニューヨーク市警の刑事には一級から三級までの等級があり、ダニーは一番上の一級刑事。かなり優秀でないとなれない。
そういう自信もあってか、ダニーはちょっと横柄な態度だったり、会話の中でも皮肉っぽいところがあったり、エレンやジェイミーとも意見の違いで度々ぶつかり合います。
短気なところもあり、誤解を受けやすいところも。間違って警官を撃ってしまったり、車に薬物を仕込まれてはめられたり。
シーズンを通して血気盛んなところは変わらないのですが、妻のリンダを亡くしてからは、大きな喪失感を抱えていて、少し影ができた感ですね。最初の相棒ジャッキーから今の相棒バエズと強固な信頼関係を築いていて、お互い、相棒という以上に惹かれ合っている感じですが、一歩を踏み出せない。
なんか、シーズンの中でやんちゃ坊主から大人の男に成長している感じです。

エレン(長女)

家族の中では唯一の検察官。警官の兄や弟が当然のように便宜を図ってくれと頼んだりしてくるのに頭にきてたり、事件への考えの違いから対立したり。男兄弟の中で育ち、負けず嫌いは人一倍。仕事に対しては自分にも部下にも厳しいけれど優秀なので一目置かれている。
検察では、同僚や上司に裏切られたり、無理難題を突きつけられたりするけれども、それをあの手この手で乗り越えていく。すべてが上手くいくわけでもなく、割り切れない思いもあるけれど、ブレずに自分の道を進もうとするエレンは女性としても素敵だなと思います。キツく見えて思いやりもあり、特にシリーズの後半は、検事補、検事と昇進していくので、権限も大きくなり、最初の頃よりは何だか「温情」的な部分が多くなってた気がします。

ジェイミー(三男)

ジェイミーは兄弟たちから「ボーイスカウト」と呼ばれるほど、真面目で一本気質。
「悪いものは悪い」とうところもあったけれど、事件などを通して臨機応変に対応したり、巡査部長になってからは、部下のトラブルなどもうまく対応したりして理想の上司的な感じも。
情報部に移動になってからは潜入捜査をしたり、より難しい任務につくことも。巡査のときの相棒だったエディと結婚して、最後には赤ちゃんも授かります。

ジョー(次男・写真のみ)

ジョーはドラマの最初から既に殉職していて、それが家族の心に深く刻まれています。
登場はないものの、シーズンを通して事あるごとに話題に登り、家族がどんなにジョーを大切にしていたかが伺えます。
シーズンの中で、ジョーが一度だけ関係を持った女性に息子がいるとわかり、家族に衝撃が。対面するも、なかなかわかり合えない部分もありながら、最後には家族になっていくという過程が面白かったです。

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レーガン家の兄弟たちは、早くに母親を亡くし、頼れるのは父親や祖父。頑固な家系でもあるけれど、時にはぶつかり合いながら、それでも固い絆で結ばれた兄弟たちは、結束して事件に立ち向かい、「レーガン」としての自分の役割を全うしようとするその姿に心震えます。

警察官の長、そしてレーガン家の長フランク

その兄弟たちの父親でレーガン家の長でもあり、NYPDの警察本部長でもあるフランク。任期ごとに代わる市長は上司でもあるけれど、言いなりにはならず、さりとて対立しても上手く折り合いをつけてお互いの考えの着地点を見出そうとする。
もちろん、感情的になることもあるのだけれど、思慮深く、常に公平で誠実であろうとする姿があります。
仕事では部下にあたるダニーやジェイミー、エレンにも、贔屓にならないように最新の注意を払い、子どもたちを見守ります。

海外ドラマ「Blue BloodsブルーブラッドNYPD家族の絆」の魅力

アメリカ屈指の大都会であり、観光都市でもあり、また反面、犯罪も多発しているニューヨーク。そのニューヨークの街を守るニューヨーク市警。そこに勤務する警察一家の物語。
警察関連の映画やドラマは多々あるのですが、警察のトップとその家族、しかも全員が警察関連職業ということで、警察官として、「レーガン」の一員として、また一人の人間としての葛藤や、家族としての固い絆などが描かれていて、他の同じようなドラマとは一味違う感じになってます。

レーガン家の掟として、「週末に必ず一家で食事をする」というのがあって、それはよほどの理由がない限り、実行される。その食卓では、ある日は屈託のないおしゃべりだったり、またある日は激しい議論があったりと、問題がその場で必ず解決するわけではないけれど、家族がそれぞれの意見を出し、話し合う姿には色々と考えさせられます。
また、一話一話の中に何かしら心に響くセリフがあって、胸にくるんです、これが。
仕事や生活の中でのトラブル、難問、いいこと、悪いこと、色々あっても、喧嘩して気持ちをぶつけたり、励まし合い、支えられる家族がいれば、それは本当に幸せなことかもしれない。
そういう家族というのは、「当たり前」ではないのだから。

「Blue BloodsブルーブラッドNYPD家族の絆」が、14シーズンも続いて、最後まで視聴率もトップだったほど人気なのは、それぞれのキャラクターや家族としての設定もさることながら、やはり一つ一つのエピソードの力も大きいと思います。
一つのエピソードに、一つの事件だけでなく、フランクの立場での問題や、ダニー、ジェイミー、エリンと、それぞれの事件や問題が発生してストーリーの展開に飽きが来ない。

フランクの重臣3人のエピソードも多くあるし、ダニーの子どもやエリンの娘のエピソード、エリンの優秀な調査員にもいくつかエピソードがあり、登場人物が多いのも特徴で、後にジェイミーと結婚することになるエディや、次男のジョーの息子ジョー(父親と同じ名前)も加わってくるし、エディの女性上司や相棒なども絡んできます。
フランクは市長をはじめ、多くの関係機関のトップとの駆け引きもあるし、また、ニューヨークの強盗や殺人、地下鉄の危険性や、マフィア、薬物、情報屋や潜入捜査、移民問題や差別、そして警官の汚職など、現実的な問題にも焦点を当てて、それぞれの登場人物の立場で描かれているのも興味深く、ドラマの中に入り込めます。

警察のドラマでもあるけれど、いいことばかりピックアップしているわけではないのもいいです。
警官であるために、何をして何をしたら駄目なのかとか、警官としての行いの難しさや、警察と検察の立場の違いや法律のことなど、勉強になることも多々あります。
我が家とは状況が違いすぎるので比較にはならないですが、自分の家族とは違うからこそ、憧れもあるし、こうでありたいと思う共感もあるし、「家族」のことを色々と考えさせてくれたドラマでもあります。

14シーズンは長寿番組といっていいはずで、ですが、もっと続くと思ってたので、この家族の物語をもっと観てみたかった。ドラマが終わってしまってさみしい気持ちです。
でも、「これで完全に終わり!」という感じの終わり方でもなかったし、不確かではありますが、スピンオフの話もあるようで、何かしらの形で続いてくれたら嬉しいですね。

海外ドラマ「Blue BloodsブルーブラッドNYPD家族の絆」は、今ならシーズン1から最終シーズンまで、Huluで会員登録した後、無料で視聴できます。

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