
作品紹介
習慣的にトランプゲームのブリッジをしたり、ガーデニングをしたり、ワインを1、2杯たしなんだりするような決まりきった毎日に楽しみを見いだせなくなったキャロル(ブライス・ダナー)は、変わり者の3人の女友達(ジューン・スキッブ、リー・パールマン、メアリー・ケイ・プレイス)の力を借りて新しいことにチャレンジし始める。これまでとは違う新たな日々を過ごす中で、彼女は新たなロマンスを見つけるのだった。
監督 | ブレット・ヘイリー |
脚本 | ブレット・ヘイリー マーク・バッシュ |
製作 | レベッカ・グリーン/ブレット・ヘイリー/ローラ・D・スミス |
撮影 | ロブ・C・ギブンズ/ブレット・ヘイリー |
音楽 | キーガン・デウィット |
出演 | ブライス・ダナー/マーティン・スター/ジューン・スクイブ/レア・パールマン メアリー ケイ プレイス/マリン・オーカーマン/サム・エリオット |
70代のキャロルは20年前に夫を亡くしひとり暮らし。教員を引退して悠々自適の生活。
テレビを見たり、ガーデニングや友達とのおしゃべり、そんな平凡な毎日。
老後というのはこういう生活なのかもしれない。夜、出かけることも少なくなるし、刺激的なことはさほどなく、自分が何かを求めない限りは平々凡々。キャロルは夫を亡くして以来、ロマンスには興味はなく、気のおける友達とのカードやゴルフが唯一の刺激と言える。
そんなキャロルの日常に変化が。
長年の愛犬が亡くなってしまう。悲しみでふつふつとした日々を送っていたある日、新しいプール掃除人ロイドがやってくる。もちろん若者だし、キャロルにとっては息子みたいな年齢だから、お互いがロマンスの対象ではないのだけれど、なんとなく話が合って、二人は友だちになる。
歳をとると、若い年代の友達というのもなかなかできなくなる。
普通は話が合わないし、若者のほうから敬遠してしまうと思う。喋り方や話のテンポなど、お互いがなかなか合わせられない。
けれど、そんなことを乗り越えて、自然に友情を育むキャロルとロイド。二人にとっても画期的なことなんだろうと思う。
そこに、ちょっとちょい悪おやじ風のビルがキャロルに声をかける。
葉巻をくわえてちょっとキザっちい感じが私はしたのだけれど、確かにシニアにしてはいい感じ。
食事に誘われOKするキャロル。こういうときっていくつになってもときめくと思う。
ブライス・ダナー
夫はテレビプロデューサーのブルース・パルトロー、子供はアカデミー賞女優のグウィネス・パルトローとテレビ・映画監督のジェイク・パルトロー。今回は初めての主演。ひと歳とった女性の自由さやさみしさ、ときめき、チャレンジなど、キャロルを自然に演じていて共感が持てます。
サム・エリオット
1991年、テレビムービー『CONAGHTER』でゴールデングローブ賞 主演男優賞にノミネート。1995年『バッファロー・ガールズ』でゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネート。近年ではケビン・コスナーの「イエローストーン」の前日譚「1883」に主演。1984年に『レガシー』で共演した女優のキャサリン・ロスとはハリウッドきってのおしどり夫婦。
今回は、キャロルと付き合う渋い男性ビルを好演しています。
マーティン・スター
「ゲーム・オブ・スローンズ」にカメオ出演したり、「スパイダーマン」シリーズでもおなじみ。
シルベスター・スタローンのドラマ「タルサ・キング」にも出演。
ちょっとおとなし目でさえない感じのプール掃除人だけど、キャロルと友情を築いていく青年ロイドを優しく演じています。
感想
この映画は、正直シニア向けなのかもしれない。なにか劇的なことがあるわけではなく、一人暮らしの女性の暮らしが淡々と描かれていて、その中での出会いや別れが、この年齢だからこそのものがある気がします。
気のおける女友達4人。カードやゴルフで楽しみながらも、さほど刺激があるわけでもなく。
それでも、私にしてみれば、歳をとってから集まれる女友達がいるというのは、何だか羨ましい気が。
昔を思い出して医療用の大麻を吸ったり、お菓子を大量に買って歩道を歩き、イケメンの警官に注意されたり。
歳をとってもそんな仲間がいることは楽しいことなんだろうと思う。
親子ほどの年齢差のあるプール掃除人のロイド。最初は敬遠気味だったロイドも、キャロルのうちにネズミが出て、それを助けたことから交流が始まります。
ある時、ロイドがキャロルをカラオケに誘います。ロイドはそれなりなのだけれど、戸惑いながらも歌い出すキャロル。
昔はジャズ歌手をしていたというだけあって、カラオケだけど、しっとりと歌い上げ、周りの拍手喝采。
ロイドも、これがきっかけにキャロルと親交を深めていきます。
そんなときに、とあるお店で声をかけてきたビルと知り合う。
ビルは火をつけない葉巻をくわえている、ちょっと他のおじさまたちとは違う雰囲気を持った男性。



ひと歳とった大人たちが、恋をし、ベッド・インし、関係を築いていくさまを丁寧に見せてくれています。
それがちっとも嫌な感じではなくて、微笑ましくもあり、共感もできる。
人生はリタイアして終わりではなくて、また、そこから新たに始まっていく。
現在の仲間たち、新しい出会い、そして別れも。
いいことも悪いことも人生にはあって、それでも前向きに生きていく力強さもあり、勇気をもらえる映画なのかなと思います。
キャロルを演じたプライス・ダナーは、決して飾っているわけではないのに品があって、こんな風に歳をとれたらなと憧れさえ感じます。
ビルを演じたサム・エリオットも静かな中にキャロルに対する情熱も感じられる演技で、歳をとってもこんな人に出会えたら女性はときめくよな、と。
若いときにはない、けれど若い時と同じように、ひと歳とっても色々あるし、けれど、若い時とは受け止め方も違っていたりする。
友情、出会い、そして、より身近に感じさせられる死という現実。
地味な映画かもしれないけれど、大げさではなく、憧れや共感を持てる映画でした。