作品紹介

米国土安全保障省の捜査官ティムは、性犯罪組織に誘拐された少年少女を追跡捜査していた。
上司から特別に捜査許可をもらった彼は事件の温床となっている南米コロンビアに単身潜入し、ワケアリの前科者、資金提供を申し出た資産家、さらに地元警察と手を組み、大規模なおとり作戦を計画する。
やがてティムは一人の人間として尊い命を救うため、自らの命をかけた壮絶な闘いに挑んでいく。

監督アレハンドロ・モンテベルデ
脚本アレハンドロ・モンテベルデ
制作エドゥアルド・ベラステーギ
出演ジム・カヴィーゼル/ミラ・ソルヴィノ/ビル・キャンプ/エドゥアルド・ベラステーギ

感想

主人公ティム・バラードは国土安全保障省の特別捜査官、潜入捜査官として12年間、児童犯罪、児童人身売買に取り組んでいた人物。
その話を元にして映画は描かれています。

映画のオープニングでは、実際の監視カメラの映像で、荷物をちょっと持っていくような感覚で、子どもたちがさらわれていく。
逃げても抵抗してももう無理で、他の大人がいないときを狙っているので、助けもない。

物語は、市場で歌を聞いたと言って、少女の家に来る一人の女スカウトの登場から始まります。そこに帰ってきた弟と一緒にオーディション会場に来てくれというのです。
父親は会場に二人を送り、午後7時に迎えに来るよう言われるのですが、迎えに行くと、そこはもぬけの殻で、二人がさらわれたことを知るのです。

囚われ、売られていく子どもたちの現実

物語は、市場で歌を聞いたと言って、少女の家に来る一人の女スカウトの登場から始まります。そこに帰ってきた弟と一緒にオーディション会場に来てくれというのです。
父親は会場に二人を送り、午後7時に迎えに来るよう言われるのですが、迎えに行くと、そこはもぬけの殻で、二人がさらわれたことを知るのです。

人身売買のことは、よく映画やドラマで取り上げられていて、海外ドラマ「ローアンドオーダー/性犯罪特捜班」でも何度もやってました。
モデルのオーディションと偽って、若い女の子を集めて搾取する。
そういう組織があることは、周知の事実だろうから、それを元にドラマも作られているのだろうとは思ってたけれど、実際の捜査官の捜査を元にしていると聞けば、さらにリアル感も増します。

何日も船のコンテナに何十人も押し込められ、食べ物も水もなく、排泄もその場で垂れ流し、そんな状況で着いた早々、幼児性愛者に売られていく子どもたち。

助けてくれる人もなく、理由もわからず状況を受け入れるしかない。

「どこまでが事実か」というのが重要ではない

出典:https://hark3.com/freedom/

そこに立ち上がったのがティム・バラード。
幼児性愛者(ペドフィリア)の逮捕はしてきたものの、子どもたちを救うことはしていなかったため、心の葛藤を抱えていたティム。
ペドフィリアを装い、さらわれていた弟を救出したのをきっかけに、その姉も救出するため、コロンビアにいくことを決心します。

「パッション」や「オーロラの彼方へ」のジム・カヴィーゼルが演じました。

「事実を元に」はしているのですが、そこはエンターテイメント。
事実とは違う部分も多々あります。
姉を救うため、一人で敵地に取り込んだとか、そこのボスを殺した部分はフィクションのようです。

でも、「事実とは違う」ことが重要ではなく、人身売買の現実がそこに確かにある、ということこそが重要で、そんなことには疎くて何も知らなかった自分が、この映画でそういう世界があるのだということを知るきっかけになったということが大切なんじゃないかと思うのです。

出典:https://hark3.com/freedom/

「ある日突然、自分の子どもが跡形もなく消えたら?」
「誰かに連れ去られてしまったら?」
「いるべきベッドにその姿がなかったら?」

考えるだけでも恐ろしいし、それは実際に日本でも起こっているわけです。
ワタシたちにまずできることは、子どもを抱きしめることからかもしれません。

この映画は賛否両論があり、また「Qアノン」と言われる陰謀論の的となり話題になりましたが、小難しいことはよくわからず。
議論は必要だろうけれど、ただ、実際の捜査官の話しを元に、こういう現実を知るための映画として観て、それぞれ何かを感じられれば、それでいいのではないかともワタシ的には思うのです。

ティムの妻キャサリンを演じたのはミラ・ソルヴィノ。
実際には、妻のサポートはかなり大きかったはず。
当時ティムには6人も子どもがいて、自分は他人の子のために命も投げ打って何ヶ月も家を空けていて、その間、家や子どものことは一手にキャサリンが引き受けているわけで。
映画でも、かなりティムの行動に理解がある妻役だったのですが、セリフや登場が少ない。存在感も薄い感じで、あまり掘り下げられていないのです。
尺もあるから仕方ないかもですが、ティムも映画の最後に「すべては妻に鼓舞されて可能にした」としています。

「人身売買ビジネスの市場は1500億ドル。
現在奴隷として囲われている人数は、奴隷制度が合法だった時代も含めて、史上最多。そのうち数百万人が、まだ年端もいかない子どもたち」という。

「神の子は売り物ではない」という言葉は、「神」には疎いワタシにも突き刺さる。
今も子どもたちは連れ去られ、搾取され、殺されているのです。

ティムやチームのお陰で救出された姉は、家に帰り、太鼓をたたきながら歌を歌う。
それはサウンドオブフリーダム。
「自由を求める音」なのです。